SPAIN PATIO

スペイン瓦の屋根、こて塗りの壁、擬石の腰壁を食堂までのばしたり、アイアンワークの面格子やステンドガラスの庇で彩りを加えました

中庭と言えば京の町屋かスペインアンダルシア地方の民家です。
今回はスペインパティオ風にしてみました。
スペイン瓦の屋根、こて塗りの壁、擬石の腰壁を食堂までのばしたり、アイアンワークの面格子やステンドガラスの庇で彩りを加えました。
今回は知人のアーチストに一式で御願いした為、リーズナブルにまとまりました。
写真では見えないのですが屋根に落ちた雨水を樋で受けてクサリで中庭に流します。
ひめしゃらの足元にはアイビーが茂ってますがクサリとアイビーとの間にガラスの皿を2枚互い違いに浮かせました。
これによりクサリを伝った雨水がガラスの皿に落ちて満水になると雫が下のガラスの皿に落ちるようになります。

神奈川県小田原市郊外に建つこの家は箱根外輪山を背に遠くに相模灘を眺めることが出来る、のどかな場所にあります。
昔ながらの建物が多いのでご近所や風景になじむ水平を基調とした外観としました。
庇を大きく伸ばすことによって高台であるこの家を風雨から守るようにしております。
玄関は一見「どうやって開けるの?」といったつくりになってます。
ゲストに楽しんでいただく仕掛けを考えました。
実は引き戸になってまして、左側のガラスは動かぬまま縦格子の建具が右にスライドします。スライドすれば横の壁にすっぽり入りますが、今度は引き出すことが出来ません。
そこで手掛けの部分だけ円形状にして引き出しやすくしました。
デザイン的にもアクセントになります。
この半円を利用してガラス部分にお客様の名前を掘り込みました。
表札です。この表札、夜になると半円の壁に埋め込まれたミニダウンライトからのスポットライトで照らされて外灯になります。
扉を開ければ正面はキュービカルなこの家のモチーフとした四角いアクセントが向かいいれます。お父様の腰掛などに便利なベンチもあります。
床にはビー球が埋め込まれて流れるように外の基段へ広がります。
和室への入口も一見してわからぬように木の建具の真ん中に取っ手をつけたりしております。
ご家族からの要望は小さいお子様が2人いるので奥様が家事をしながら様子が見れるようにしたい、お父様が近所付き合いを大事にしたいので2間続きの和室がほしい、ご主人は明るく、風通しの良い楽しい家がほしいとのことでした。
全て南側に部屋があれば明るい家となるのですが、実際はそうはいきません。
たいがい水廻りであるキッチン、洗面脱衣、便所、などが北側に配置されがちです。
一日中家で活動される奥様が寒い北側にいるのは得策ではありません。
せっかく自然あふれる場所でもあるので風や光をふんだんに取り込みたいものです。
そこで建物の真ん中に中庭を設けてこれらを解決してみました。
中庭まわりには食堂、居間、玄関、洗面脱衣室、キッチン、子供部屋、書斎、納戸、階段ホールが配されています。
中庭に光が差し込むことによってキッチン、洗面脱衣室が劇的に明るくなりました。
食堂上を吹抜にすることで中庭と一体感が作れより広がりがもてます。
また、対面式のキッチンに奥様が立てば食堂上部吹抜越しに子供部屋を眺めることが出来て安心です。
各部屋間は中庭越しに見えるので書斎で仕事中のご主人を居間にいる家族が確認出来てなんとなく家族の温度を感じ取ることが出来ます。
中庭には広葉落葉樹の「ひめしゃら」を植えました。春は青葉、夏は緑、秋は黄色と四季を感じることが出来るからです。葉の落ちた冬にはクリスマスイルミネーションを飾ります。
中庭と言えば京の町屋かスペインアンダルシア地方の民家です。
今回はスペインパティオ風にしてみました。
スペイン瓦の屋根、こて塗りの壁、擬石の腰壁を食堂までのばしたり、アイアンワークの面格子やステンドガラスの庇で彩りを加えました。
今回は知人のアーチストに一式で御願いした為、リーズナブルにまとまりました。
写真では見えないのですが屋根に落ちた雨水を樋で受けてクサリで中庭に流します。
ひめしゃらの足元にはアイビーが茂ってますがクサリとアイビーとの間にガラスの皿を2枚互い違いに浮かせました。
これによりクサリを伝った雨水がガラスの皿に落ちて満水になると雫が下のガラスの皿に落ちるようになります。
天候の移り変わりが叙情的に感じることが出来るのです。
せっかくのパティオを作ったのですから名前を考えました。
響きの良い意味のある名前をいくつか考えてお客様とビールを飲みながら選びました。
選ばれたのは「ファボーニョ」(西風)という意味です。
スペインの知人からそのスペルのタイルを送ってもらい壁に貼りました。
キッチンの使い勝手を考え、横方向にユーティリティー、洗面脱衣室、浴室のレイアウトとしました。
キッチンは北側なのですが中庭を設けて光を取り込み、北側窓も大きくして風の流れを取り込んでいます。この窓越しには遠くに竹林を眺められます。
普段使いの茶碗などは奥様の手の届きやすい場所にガラスの引違い扉をつけて収納しました。
子供部屋は将来2つに分けられるように今は大きく使います。
窓も大きくおおらかな空間としました。
中庭も大きく取り込みます。
ご主人と秘密の会合が何回かありました。
「秘密の部屋」をつくるプロジェクトです。
2階に上がり、廊下を通りご主人の書斎に入ります。
書斎には納戸に続く扉があり、細長い納戸を奥へ進むと右側にハシゴが見えてきます。
それを登ると
小屋裏を利用した勾配天井の低い空間があらわれます。
東側に大きな窓付けたことによって遠くに広がる夜景を楽しみながら安らいだ時間を過ごせます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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