住んでてちょっと楽しい家
20代中頃の若いカップルが結婚し、新しい生活を始めることはエネルギーがいること。巡航速度にたどり着くまでフルスロットルで上昇する旅客機のようだ。 結婚して所帯を持つ、子供が生まれる。…そして、安全でほっとできる棲が欲しいと思った。住んでてちょっと楽しい家。
上昇中の旅客機のように 若い二人の結婚生活に子供が生まれ、楽しいけれど、色々大変。そんなに親にも甘えてもいられない。安全でほっとできる棲が欲しいと思うのは当然の流れた。私も早く家を持ちたいと思っていたので気持ちがわかる。
土地<家 土地を買って家を建てるのは若い二人には経済的な負担がグッとのしかかる。どちらか譲るとしたら、普通は家だ。学校、コンビニ、スーパーまでの距離、日当たり、土地は出来るだけ条件が良い方が良いから、優先順位は土地>家だ。 でもご主人には夢があった。住んでてちょっと楽しい家。普通の家ではなく、ちょっとした細工があちこちにある家。 不動産屋さんに土地代と建築費の総額をはじき出してもらったら予算オーバー。普通なら、建物代を削って土地に軍配が上がるのだが、ご主人はどうしても夢を叶えたかった。 坪庭のような浴室、段差のあるリビング、屋上。不動産屋さんが勧めた条件のよい土地を選ばすにその後ろのそれより割り引いた土地を選んだ。そこまで身を削って想いを寄せた武士のようなご主人。
叶えたかったことはスケルトンの階段、リビングから繋がるウッドデッキ
段差のあるリビングダイニングとBBQが出来るサイズの屋上
設計者、走る 不動産屋さんに掛け合ったり、建築会社さんに交渉したり。 そして、設計者からささやかながら、小窓をプレゼントした。木製の作りつけ、デザインガラスを入れた。 その窓はダイニングと玄関ホールの間の壁にしつらえた。開くとキッチンから玄関ホールを眺めることができ、玄関ドアを開ければ、庭まで眺められることもできる。キッチンから、子供を送り出す、子供が帰ってくる。
キッチンから窓を眺める
気配を感じる窓、玄関ホールを眺める窓、風が流れる窓
日々を紡いでみよう 毎日、この小窓からどんなストーリーが訪れるのだろうか。
神奈川県南足柄市 2004.8 1階床面積 46.37㎡ 2階床面積 46.37㎡ PH床面積 2.48㎡ 延床面積 95.22㎡ 建築費の目安 1500~2000万円+別途設計料(建築費の13%)
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