trans box

「怪しい外国人が夜な夜な踊り狂う」というコンセプトの住宅です

要望は「無印良品的なシンプルかつ機能的」「華美は装飾、意味のない材料の排除」で家に対するイメージは「倉庫」でした。
サブタイトルは「怪しい外人達が夜な夜な踊り狂う住宅」無国籍な建物にしたいと...

クライアントはいつも裸だ。
なぜなら低血圧だからだ。
上で90くらいだ。
だから打合せは午後になる。
朝からハイテンションな私にはちょっとつらい。
なので暑いのが大好きなのである。
と、いうか暑くないとダメみたいである。
ハニーさんも(パートナーをこう呼んでいる。)夏の猛暑の時、現場で「気持ちいい~」と心から叫んでいた。
シンプルかつ合理的な家がお好みだ。
「倉庫」のような家にして欲しいがクライアントの口癖である。
錆びて朽ち果てて行く感じが欲しいともいう。
親を説得するために致し方なく個室を設けた。
基本的にワンルームである。
感覚をとても大事にするクライアントである。
外と中のつながり、自然とのつながりを大切にしたいので二階のデッキと二階フロアーはフラットにして大きな開口部で開放性を強調した。
天窓は透明ガラスにして雨のしずくを楽しむようにした。
窓を開けっ放しにしても雨が入ってこないように大きなひさしを出している。
雨のときも雨を楽しみたいからだという。
タバコが無二の友人だ。
二階の居間の床に直接置いたPCにうつ伏せになってディスプレーを眺めて夜な夜なネットサーフィンを楽しむ。
左手にタバコを持って、
もちろん裸で…
でも煙は流しておきたいという。
そのための空気の流れを作った。
サーキュレーターも取り付けた。
大きな開口部をつけたのはいいが南側隣地の林から大量のモスキートの襲来に
逢うことを知った。
網戸で鉄壁の構えだ。
一階にはビリヤード台を置くことが決まっている。
ビールの自販機も置くそうだ。
あやしい秘密クラブの誕生か?
デッキには巨大プールかジャグジーを置くという。
そこが抜けないか一同心配している。
現場に新車のバイクでやってきた。
免許取立てなので
ヨロヨロしながらかえって行くクライアントの後姿に
大工さんと
「夢をいつまでも追い求めてますねぇ~」
とうなずきあってしまった。
私はそんな人の家が造りたいだけなのである。
今回のテーマをストレートに表現するしたのが上記の文です。
場所は東京都杉並の閑静は住宅街です。
アメリカ生活が長かったお客様のライフスタイルを真正面から取り入れました。
要望は「無印良品的なシンプルかつ機能的」「華美は装飾、意味のない材料の排除」で家に対するイメージは「倉庫」でした。
サブタイトルは「怪しい外人達が夜な夜な踊り狂う住宅」無国籍な建物にしたいと。。
実際の倉庫はスレート一枚で囲われているだけなので住むには大変です。
また、「家の内壁は余計なもの」との判断で今回は構造がそのままの状態です。
解決策として外断熱工法を用いました。
本来は天井に隠れている構造材は材料も荒く、架構もイレギュラーで汚いものです。
それを今回は見せるために整理をしました。
規則正しく梁をかけたり、床の材料も裏表共削ったり、部材点数を減らしたりしました。
電気配線もビニールパイプに入れて整列させました。
玄関は倉庫の入口同様広い鋼製の両開き扉で吊り下げ型です。
玄関ホールはビリヤードが出来るほどの大きさがあり、
そこから個室に繋がります。
友人がきても個室入口がわかりにくいようにと壁パネルと一体に作りました。
玄関ホールから2階に上がる階段を上るとワンルームのLDKになります。
更にそれとほぼ同サイズのデッキが南側に広がり、アルミサッシュを全開にして一体感を楽しみます。
キッチンは造り付けで、横の扉を開けるとトイレ、洗面一体のバスルームがあります。
お湯を張って入る習慣がなく、シャワーを浴びるとのことでシャワーの取り付け位置には最新の注意を払いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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