T-scale

限りあるスペースをご家族サイズの機能的であり開放的な空間づくりを目指した住宅

クライアントのTさんより土地探しからアドバイスが欲しいとのことで、Tさんが気に入った土地が見つかると現地を拝見させて頂きました。

ひとつめの候補地は眺めがとても良い高台。だけど二段擁壁の崖地で擁壁も古く、頼りない為に断念。
ふたつめの候補地は駅まで近く買い物等に便利。だけど往来の多い道路に面して、子供が玄関から道路に飛び出した際に危険を伴いそうな為断念。
そして選ばれたこの土地は閑静な住宅街、駅からは少し離れるが平坦地を続くので、電動アシスト自転車など使えば良いのでご夫婦ともに気に入られました。

とは言えここは横浜。ご多分に漏れずに土地代も高いのでコンパクトながらも開放的な家を目指しました。

工夫したのは平面と立体空間、つまり、前後左右、上下の空間を明確に変化させて、必要なところにはダイナミックに、そうでないところはミニマムな設計をしました。
そう、全てがTさんご家族のサイズに合わせた「T-scale」な家を、、、、

具体的には
・家での事故の半分は階段なので可能な限り横幅を増やし、一段あたりの高さも抑えました。
・寝室や子供室は大半が就寝の時間が多いので天井高を低く抑え、やすらぎの空間としました。
・家族が一番長い時間過ごすであろうLDKの天井は高く、のびやかで気持ちよい空間にしました。
・DENは「籠る」をテーマに横にも上にもコンパクトな空間にしました。
(DENとは、巣、ほら穴を意味する英語「DEN」からきた言葉で、書斎や趣味を楽しむための部屋や隠れ家的な用途を持つ部屋を呼びます。)
・キッチン収納を確保するべくユニットバスも1317サイズという特殊なサイズでトレードオフに。奥様が叶えたかった桧の縁甲板張の壁も実現しました。

これからは酷暑の夏をどう乗り切るべきかを考え、西側窓を小さく、断熱効果が高いセルロースファイバーを採用してあります。

ライティングコーディネーター出身の奥様による照明器具の配置。間接照明を中心に光による「タマリ」をつくり、家族を包み込みます。

Tさんご家族の健やかな毎日を願ってやみません。

2018.3
横浜市泉区
1階床面積 47.11㎡
2階床面積 47.11㎡
延床面積 94.22㎡
建築費の目安 2500万円+別途設計料(建築費の13%)

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