三方を隣家に囲われながらも抜群に日の当たる家
「デザイン性、機能性に溢れ、自分たちのテイストに合ったこだわりの家を建てたい!」と、インターネットであらゆる情報を仕入れたNさん。 「建築家に依頼するのもひとつの方法だ」とのことで実際に何人かの建築家に会って、その中から、当所とNさんとのお付き合いが始まりました。
北側道路に面したその土地は南北に伸びており、三方を近隣に囲まれた陽も光も入りにくい場所とのことでした。 現場を拝見すればなるほど陽も風も入りにくい駐車スペースも出来上がっていて家を建てるスペースが限られている。 「う~ん。マンダム。」間違えた。「う~ん。参った」でもない。「う~ん燃えてきた」(正解!)
早速、隣地の隙間を狙って風を呼び込んだり、光を入れたりとプランを練り出しました。 ファーストプラン以降、ご夫婦も身を乗り出して打合わせを楽しまれるようになりました。 当初の頃は打ち合わせに男の子のお子様も同席して静かにされていましたが打ち合わせも盛り上がってくると(つまり2時間を越えてくると)次第に退屈になってしまいました。 そのような時は彼にご自宅から持参された「アンパンマン」を握り締めてもらったまま当所の秘密の部屋彼一人案内しビデオ大作戦を決行するのでした。 建築家は家族全体の輪も大切にします? それでも打ち合わせが更に盛り上がってくると 「あらっ?今日は〇〇くんはどうされたのですか?」 「おばあちゃんのところに預かってもらいました」と。。。。 このように楽しく進めさせていただいた家は溢れるほどの風や光を導くことが出来ました。 1階に於いては就寝スペースを割り切り、寝室、子供室、水周りを配しました。 留守中のセキュリティーも配慮しました。電気仕掛けではなくローテクに処理しました。 不審者が窓を開けれない位置にしたり、通路には砂利を敷き音がするようにしたりしました。 2階はくつろぎの場です。 屋根をのこぎりの刃型のようにして壁上部にハイサイドライトを取り付けました。 こうすることで隣地の屋根を交わして直接、風や光を各部屋に導くことが出来ます。 どんなにキッチンが北側にあろうと日焼けしそう明るさ?です。 リビングの南には中庭があります。中庭の向こうには離れのような個室があります。 友人やご主人がひとりになりたいときなど活躍します。 中庭はプライバシーを保ちながら風が抜けるように配慮してあります。 最初の図面では壁は全て塞いでしまう予定でしたが現場で確認すると隣家の庭を利用して視界が開けるのでその部分を大胆に開けました。 キッチン北側のコーナー窓からは通りの反対に面した公園が確認出来るので〇〇君の動きをとらえることが出来ます。 こちらも現場で確認をしました。 こうして器を手で捏ねて出来上がるかのように楽しい明るい家が完成しました。
どうして”MR ROBOT”なのか? それは北側ファサードの表情がロボットそのものだからです。 実は最初はこのような表情ではなかったのですが打合わせを重ねるうち変化をしてゆき、打ち合わせも後半に差し掛かるとクライアント自ら、「このロボット君の眼の部分のことですが」(つまりはコーナー窓のことです。)と表現されたがきっかけとなったわけです。 最後までお読みいただきありがとうございました。