あつまりの家

ひとが集まる、ひかりが集まる、「あつまりの家」

「ひとはものがたりでイメージするもの」
今回はKさん家族の家ものがたりを書いてみました。

ひとが集まる、ひかりが集まる、「あつまりの家」

「ひとはものがたりでイメージするもの」
今回はKさん家族の家ものがたりを書いてみました。

「一生住む家なので自分たちにあった暮らしやすい家を造りたい」
Kさんご一家はそう考え、設計者に声を掛けました。
設計者は早速、現地の様子を見に行きました。
住宅が建ち並ぶ静かな場所で環境は良好です。
敷地の東側は広めの道路になっており、西側はお隣の庭。
東西に気持の良い風が吹き抜けそうです。
道路よりも敷地が高いので水はけが良く、何よりもプライバシーが守れるのが嬉しいです。

設計者は事務所に帰り、家のかたちを考えはじめました。
南側から光を入れる為に建物を横に細長くしてみました。
でも横に細長いと地震の為の耐力壁がかたよってしまいそうです。
南側壁を高くして大きな窓をつければ日差しを一杯に取り込むことが出来ます。
でも屋根が北傾斜になり将来、取り付けようと考えている、太陽光発電ユニットの効率が悪くなってしまいます。
太陽光発電ユニットの効率を考えれば南傾斜の片流れ屋根がベストです。
でも北側斜線制限を越してしまいます。
地震に頑張るように建物の形を正方形になるべく近くしてみました。
こうすればバランスがとれて大地にしっかり根を張ることが出来ます。
でも南側の空きが少なくなって陽が入りにくくなってしまいます。

設計者はあれこれと考えてようやく家のかたちが決まりました。

地震に対する安定感をたかめるためにスクエアなかたちとしました。
狭くなってしまった南側空きには連続したハイサイドライトをつけることで明るい日差しを室内に導くことにしました。
バルコニーを東西にもうけることで心地よい風が吹き抜けます。
腰壁を高くすることでプライバシーも守ります。
バスケットゴールはロングスローイングも出来るようにカーポートと兼用にしました。
次に玄関までのアプローチを考えました。
車や自転車の移動は毎日の事だから楽に越した事はありません。
疲れて帰って来たときは気を使わないで車庫入れしたいものです。
そこで道路に平行したカーポートを考えました。
車から死角になってぶつけてしまいそうな門扉や植栽は無くしました。
自転車は建物に囲まれたインナーガレージに置く事にしました。
インナーガレージの前にはゲートを設けます。
ゲート横には照明、サイン、インターホン、ポストを配して訪問者を確認することにしました。
こうすることでプライバシーも守れるので休日の朝、パジャマのままでも新聞を取りに行くことが出来るでしょう。
道路面より建物が高くなるので穏やかな階段をつくりました。
自転車用のスロープもつけて買い物かごの荷物も落ちにくく配慮します。
「自転車に乗りたいのだが奥にあって取り出しにくい」なんてことありませんか?
すぐに乗れるように4台が並列に留められるようにしました。
ゲートから死角になる位置には外流しがあります。
洗車は勿論、散歩帰りのわんちゃんの足を洗うのに便利です。
ゲートがあることで玄関ドアを空けてもわんちゃんが道路に飛び出ることも防げます。

さあ、建物の中をのぞいてみましょう。
玄関ドアを開けると左手には畳敷きが見えてきました。
土間風の色合いの床とマッチしてまるでモダンな旅館の様です。
履物は何処からでも脱ぐことが出来るので玄関が渋滞すると言った事もなさそうです。
玄関が広いので荷物の搬入やファッションチェックも容易に行えそうでお出かけ前からなにやら楽しそう。
実はこの座敷、来客時にはゲストルームに早変わりします。
壁に隠れた間仕切りを移動することで落ち着いた個室になるのです。
収納の中にはテーブルとTVが隠れているのでチャンネル争いに敗れた人の為のお茶の間としても大活躍することでしょう。
「アレ忘れたから二階へ取りに行ってくるよ」出かける前によく耳にする言葉です。
Kさん家にはその言葉は聞こえそうにもありません。
全てを許容出来る収納が玄関横にあるからです。
土間と廊下の両方から取り出すことが出来る靴箱、寒い朝でも直ぐに出かけられるコート掛け、わんちゃんのリードも掛けることが出来そうです。
アウトドア用品やゴルフ用品、スタットレスタイヤまで仕舞うことが出来るので築後、既製品物置のパンフレットを取り寄せることも無さそうですね。
「ベッドルーム」・・・・
主寝室は安らぎを一番に考えて一階の奥としました。
西側はお隣さんの庭先なので生活音も少なく、緑の借景も出来て落ち着きの空間づくりが約束されました。
窓には小さな本棚の機能をもたせました。
お休み前の読書や目覚まし時計、読書灯もクリップで固定することが出来て便利そう。
重い物を載せると地震時に危険なので奥行きを薄くして軽い文庫本程度しか載らないように配慮してあります。
マッサージチェアが置けるスペースもあるのでバスタイム後はここに直行しそうです。
南面には書斎コーナーがあります。
カウンターにはPCを置いたり、仕事資料を広げたりフレキシブルな対応が期待出来ます。
窓際にあることも愛煙家には嬉しいプレゼントでしょう。
階段下を利用してわんちゃんのおやすみ場所を造りました。
今日も家族と一緒の夢をみることでしょう。
主寝室には庭に出るためのドアがあります。
わんちゃんが庭を自由に走り回れるようにとの配慮からです。
入口扉の無いウォークインクローゼットを主寝室から目線に入り難い位置に配しました。
「洗面室」・・・・
北側面でも明るくて清潔感が溢れる洗面室を考えました。
白を基調としたシンプルな洗面器はスクエアな形で洗顔した手でレバーに触れても伝って落ちる雫を逃しません。
歯ブラシやコップ、石鹸やポンプも置けばお手入れも楽でしょう。
「脱衣室」・・・・
脱衣室には家族全員の脱衣かごが置ける棚を使い易い位置に取り付けました。
その上下には扉をつけた収納をつけてお風呂用品やタオルを仕舞います。
脱衣棚前面にはステンレスバーを取り付けてバスタオル掛けとしても利用出来るようにしました。
背面には読書用の本棚があります。
今日はどれを読もうかな。
「LDK」・・・・
階段を上がると気持ちよいLDKが視界に飛び込んできました。
家族が長い時間共有出来る空間を最大限に広くする為に廊下を無くして階段もとてもコンパクトにしました。
平面的な空間を広げただけでなく、二階のメリットを生かして天井も高くしました。
高くなった天井を利用してキッチンの収納を上部まで伸ばして容量アップに貢献します。
キッチンは造りつけのアイランドキッチン。
奥様の笑顔がいつも家族に向くような場所にしつらえました。
自由な造りつけキッチンはダイニング側はシンプルにキッチン側は機能的にデザインしてあります。
料理レシピが差せる本差しや「飛び出すわんちゃんブロックパネル」が隠された楽しいキッチンです。
空間をスッキリさせる為に造った連続扉を引けばシェルフで上手に仕切られた台所収納が出現します。
北側の連続扉を引けばなんと冷蔵庫と洗濯機が隠れていました。
連続扉は階段扉と一体でそのまま壁側に引き込むことが出来ます。
必要なときだけ階段扉を閉じれば冷暖房の効率がアップすることでしょう。
洗濯機の直ぐ横にはサービスバルコニーのドアがあります。
ドアを開けばそこは物干しスペース。
道路面とは反対側の西側にあることでプライバシーを守ることが出来ます。
軒の深い庇があることで小雨程度なら大丈夫そうです。
二階にキッチンがあるとゴミ置場に困るもの。
このサービスバルコニーが一時保管場所として利用出来そうです。
南からの太陽の恵みと風を取り込む為に取り付けられたハイサイドライト。
連続していることで均一な光を一日中享受出来ることでしょう。
夜には星や月の動きも眺めることが出来て「月の動きって意外に速いんだな」なんて新たな発見ができるかも。
ハイサイドライト下の壁面を利用して液晶テレビを掛ければホームシアターが楽しめます。
カウンターにはどんなビデオライブラリーが並ぶのでしょうか。
全開口サッシュを引込めばLDK+バルコニーの広々空間が誕生します。
南北に開いたバルコニーは光が差し込み風が流れます。
東側は袖壁を立ち上げて道路からの視線を遮りました。
日差しが厳しい時にはタープを張ってしのぎましょう。
カーテンのそよぐ風、花の香り、休日はバルコニーでのランチが楽しみになりそうです。
コンパクトでありながら機能的にまとめた子供部屋。
ベッドとデスクがきっちりと納まり、既製品クローゼットによって部屋を間仕切ることが出来ます。
邪魔にならない位置にはしごを設ければ有効にロフトを利用することが出来るのです

最後までお読みいただきありがとうございました。

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