日本の建築基準と近隣の町並みに融合させながら、クライアントが実現したかったバリ島のヴィラを造り上げました。
バリ島はヒーリングの島。
河のせせらぎ、小鳥の鳴き声、木漏れ日、葉の重なり合う音、甘いクローブの香り、ゆったりとリラックスした時間が流れます。
海に山に神に癒されて元気がもらえるのが一番の魅力なのでしょう。
一度訪れれば、その魅力の虜になり、帰国後はアジアンテイストの雑貨や家具を揃え、
部屋を現地の雰囲気に設えて、ガムラン音楽をBGMに御香を炊いて癒しの時間を楽しんでいる方を多く聞きます。


Tさんは新婚旅行で体験したフォーシーズンのヴィラでの素敵な時間を自宅でも実現すべく、ご相談に来られました。
敷地はご実家横の駐車スペースを利用することにしました。
周りは比較的広い敷地の住宅が広がり窮屈感は無く、ヴィラを造るには絶好のロケーション。
道路との境には石塀があり、程よく古さをかもし出していてこのまま使うこととしました。
いくつかの案を検討した結果、平屋のLDK+水周りと個室の2階建てをドッキングさせて真ん中を玄関にする案にまとまりました。


玄関ホールを左に進めばプライベートルーム、右に進めば皆で集えるLDKに繋がり、公私を分けることとしました。
脇にシューズクロークを設えて機能性も追及しました。

 


随所にお気に入りの素材やデザインを配してゲストを出迎えます。

 

バリ島ヴィラでも伝統的な重厚感あるつくりを散りばめました。間接照明を多用したり、
こげ茶色の木枠を使うことで雰囲気をかもし出します。


Tさんが実現したかったことは広いLDKとヴィラの特徴でもある木組みが表しの勾配天井。
そしてLDKから庭に出たところにガセボを配することでした。
各方面にご友人が多く、夫妻ともに集いが好きとのことでもてなしの大空間が欲しかったそうです。
LDKに勾配天井を造るとなると合理的に考えれば2階にLDKを配しなければなりません。
そうすると寝室や水周りが1階になり、集い時の音やプライバシーが気になります。
LDKから庭にも出れないのでガセボも意味が無くなります。
コストは掛かりますが優先順位一番を実現するために平屋としました。

 

キッチンはアイランド型のオープンキッチン。
皆で会話を楽しみながらご馳走をつくります。

 

観音開きの取手も目に付くリビングの3箇所だけ実際にバリ島で使われている手法そのままに再現しました。
無垢の感じを表現したかったので枠などにヴォリューム感を出しました。
枠も三段面取りといった最近にはない凝った細工を施してます。

 

ツーボールの洗面脱衣室は朝の渋滞知らず。
ホテルライクな設えがこころのゆとりを生みます。フランジパニのカタチの取っ手はTさんが見つけてきたものを
そのまま取り付けました。

 

埋め込まれた浴槽と外部のコートが一体となり、リラックスする環境が整いました。
敷地横を流れる水路の音が浴室に伝わり、心地よいヒーリングの時間へと誘います

 

トイレもすこし開放的にしました。お隣の緑を借景するよう窓を配します。
手洗いボールや化粧鏡は取り寄せました。

 

化粧鏡に細工を施して、開いて中に収納を置けるようにしました。
家が「く」の字の形をしており、角度調整をこのトイレで行うことでこのような
三角のスペースが生まれたのでした。

 

子供部屋は大きく区切り扉は無くしました。
一緒に学習出来る共通のカウンターを作り、ドアを設けずパーテーションで区切って各自の空間としました。
座敷は予備室としてフレキシブルに活躍します。

 

夫婦寝室も勾配天井にしました。
間接照明を施しまどろみの時間を作り出します。
奥にはウォークインクローゼット、ドアを開くとプライベートトイレがあり、
バルコニーからは海を眺めるも出来て、リゾート感をかもし出します。

 

実はガセボの他にもうひとつ設えたかったものがあります。
ヴィラ入口の門です。設計打ち合わせも中頃に奥様が「実現出来たらいいな」と呟いたまま、
予算の都合で見送っていたのですが、家が完成してくるとその想いが更なる波となり、
実現に踏み切りました。門があることで外部と内部の境が明快になり、空間が引き締まった感じになりました

 

庭を楽しむのはなにも日中だけではないことを教えてくれる空間です。

 

目を閉じればインフィニティープールと先には渓谷美が浮かんできそうな豊かな時間が過ぎてゆきます。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。


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