絵本の風景をイメージして造りました。

眺めの良い、高台の土地を入手されたKさんご夫妻。
その恵まれた場所に「ピーターラビットを描いた人の田舎の風景に出てくるような家」が欲しいとのご相談をうけました。

実は奥さまもご同業でした。

実は奥様、建築士の資格をお持ちで、住宅の「いろは」は習得済み。
一方のご主人はお仕事柄、電気などの設備的なものに詳しく、外観とインテリアは奥様のセンスがキラリと光り、
壁の中の配線や使い勝手はご主人の細やかなご配慮がキラリと光る空間になりました。
外壁は素朴なテクスチャーと体に優しい自然素材から「そとん壁」を希望されました。
英国の民家などの外壁面に梁型を出した、「ハーフティンバー」と呼ばれる手法を取り入れてそとん壁と融合させます。

ただの穴ではありません。

門扉前にはゲストを暖かく向かえるポーチ灯があり、
中に入ると、自転車が一台分置けるスペース兼外流しがあります。
斜めにアプローチすることで玄関までの距離が稼げて家に趣が生まれます。
塀に空いた穴にキャンドルランプを取り付けております。ロウソクはイミテーションで実際は太陽光を利用したLEDが灯ります。
自転車近くの穴は流しの蛇口を使って車を洗車する際、ホースが通るために造られたものです。

目にとまるもの、触れるものはひんやりしない素材を。

家のメンテナンスを考えると腐りやすい自然木は敬遠されがちです。
でも柔らかな質感はこころを和ませるもの。構造的に問題の無い部分に取りいれることで心の豊かさが得られます。

玄関は玄関でしかありませんが土間は居間として使えます。

玄関ドアを開けば土間が広がります。
奥様の希望のこの土間は帰宅後にまず手を洗うことが出来ます。
買物帰りで食材が両手一杯でも土間とキッチンが直接、繋がっていることで
楽に運ぶことが出来ます。
土間横はリビングとなり3枚のガラス引込戸で仕切られます。
土間床にはテラコッタ風タイルを採用して、
柔らかい味わい深い色彩からリビングから見ても一体感を保つことが出来ます。
右下の画像の丸柱は靴を履くときの手摺になります。
その右の壁一面に鏡を貼りました。出かけ前のチェックが出来ます。

ガーデニング途中でもトイレOKです。

リビング~土間~外部というシンプルな繋がりにより、
気軽に外に出れる為、外での花植えや新聞取り、ゴミ出しなど臆することなくなり、行動力も増します。
土間左側には三帖程の座敷があります。一間の押入れもあるので来客時にも重宝します。
小さい空間でも1つあると精神的にもゆとりが出来るものです。
土間奥には大きな納戸があり、趣味のテニスやスノボーの道具も楽に運び出せます。
土間からトイレに向うことも出来ます。
2階にもトイレがあるので1階のトイレは思い切って土間仕様にしました。

この日もそよ風吹き抜けてました。

「エアコンが好みでなく、暖かい家が欲しい。」
そんなご希望から現地に佇み、風の流れを感じ取りました。
自然の風の流れる窓の配置にしてバルコニーの軒を出し、日陰をつくり、
パーフェクトバリアアルミ遮熱シートを屋根面に貼り、熱を反射させました。
2階ファミリールーム天井には天井扇をつけてゆっくり空気を回します。
太陽の位置を考えて南側に部屋を配し、ダイレクトゲインを利用し、冬の日中は太陽光で部屋が暖まるように考えました。
また、床は踏み込んだときに柔らかい質感が欲しいとのことでパイン材を採用しました。
「なるべく自然素材にしたい」とのご希望もありました。
調湿効果を狙って、全室にダイアトーマスを採用しました。
ダイアトーマスは、カルシウムと天然ミネラルを含んだアメリカで採れる化石(ケルザイム)を原料とした健康塗り壁です。
珪藻土は材料と施工コストが高い為に全部屋となるとかなりの金銭的な負担が生じます。
継続的にいるリビングや寝室だけに限定して塗る方法もありますが、ダイアトーマスは吹き付けることも出来るので、
手塗りで作業する珪藻土より期間も材料も節約出来るので、今回は全部屋採用することが出来ました。

花火が綺麗に見えるそうです。

リビングとダイニングとキッチンは一体で繋がっておりますが、一方ではゾーニングを変えて分けております。
リビングは燦々と光りと暖かさを取り入れるために南側向きにしました。
ダイニングは朝気持ちよく食事が取れるように眺めがいい東側に向けました。
リビングとは45度程角度がついています。
壁も斜めになることで同じ床面積と比べて奥行きが出た感じがするので視覚的に広がります。
キッチンもオープンキッチンです。
真正面にリビング、右側は2階への階段、背中は台所収納と通風の窓、左側にはダイニングテーブル。
実に使いやすいオペレーションになりました。
キッチンから遠く大学のキャンパスが眺めることが出来て、夏の花火もよく見えそうです。

隠し扉、ウサギの耳。

「隠し剣、鷹の爪」という映画がありました。刀のサヤの部分に鷹の爪のような鋭い剣が仕込んであり、
悪者を一撃必殺するのいう物語です。
これをリスペクトして(笑)キッチン横には2階に上がる階段を仕込みました。
冷暖房効果とちょっとしたギミックをつかって扉を設けてあります。普段は開いておき、暑さ寒さが厳しいときは扉を閉めます。
角度が特殊なので特殊な建具で対応した建具屋さんの力作です。建具屋さんにはいつもお世話になります。
いつも無理難題をお願いしてしまっているので建具屋さんはそのうち私を鷹の爪で、、、

まずはおおきなホールを造ってから。

将来のための子供部屋もファミリールームから2分割出来るように計画しました。
同じサイズの小屋裏収納も用意してあります。

ここが指令塔です。

2階のファミリールームには広いカウンターを設けました。
マルチメディアに対応するため、コンセントやケーブル類の配線が縦横無尽に計画されております。
こちらはご主人自ら配線図を作製した力作です。階段上の窓からは遠くの山並みを眺めることも出来て、
目を休めるにも効果的な借景となりました。

一部天井高いです。

寝室はいつもシンプルですね。

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